下記の3冊が1つの箱に入っています
本文篇1　本文篇2　写真図版篇(巻末にDVD付)

・伽藍地は、唯一の本格的考古学調査である早稲田大学の資料を収録
・12万9千�屬傍擇峪�院地は、伽藍地を除く大部分を調査
・政所院と講師院の詳細な推移が明確となる
・中世では、復興国分寺の附属施設と思われる方形館を2 か所で検出
・古代末期から室町期に至るカワラケの編年も収録

<概要>
　谷沿いに薄く展開する墓域を廃し、8 世紀中葉に仮設的な国分寺造営が開始され、ほどなく本格的な伽藍造成に移行した。8世紀後葉には伽藍地北側に官衙的な配列を示す政所院が成立し、9世紀中葉まで維持される。付属施設は9世紀末頃には衰退し、竪穴建物群が寺院地内に侵入する。主要伽藍は9世紀第3 四半期を中心とする段階で、塔・金堂・講堂のうち複数を焼失したものと思われ、礎石建物から掘立柱建物に置きかわる。この段階で積極的な運営施設が認められないため、後は毀損に任せた衰退段階に入ったものと想像される。11 世紀には主要伽藍が再度被災しており、伽藍消滅への画期と捉えうる。
　伽藍は12 世紀末頃に復興した可能性が高く、旧伽藍地東方に1 町四方の方形館が出現する。館は鎌倉中期頃、旧伽藍地の南西方向に移転し、室町期頃に廃絶することから、復興伽藍の衰退に連動した可能性が高い。18 世紀前葉に再度復興し、現在の国分寺となった。
※本書は、国分寺創建直前から近世までの、瓦を除いた資料を対象としたものです。