《新编方舆胜览　全二十册》

　宋祝穆辑,宋祝洙��订。宋咸淳三年(一二六七)吴坚、刘震孙福建刻本,二十册。间有缺叶。卷首依次有宋嘉熙三年(一二三九)吕午序、嘉熙三年祝穆自序、咸淳三年祝洙跋、咸淳二年福建转运使司录白、引用文目、目录。首卷首行顶格题“新编方舆胜览卷之一”,行署“建安祝穆和父编”。版框高十七点三厘米,宽十一点八厘米。吕午序四行八字,祝穆自序和祝洙跋五行八字,皆为手书上版,正文大字七行字数不等,小字十四行二十三字,左右双边,细�邯�,双鱼尾。宋讳缺笔至“筠”字。

　本書は宋代蜀地で刊行された大字本『礼記』で、全二十冊から成ります。巻十五の第十五葉は後補、巻十九の第十三葉から第十四葉も補配されています。
　『礼記』の版本は大きく「経注本」と「注疏本」の二系統に分けられます。経注本には、蜀大字本・抚州本・余仁仲本・婺州本・纂図互注本などがあり、注疏本には宋八行本・元刻明修十行本・和珅本・阮刻本などが含まれます。
　本書は版面が広く、文字は銭のように大きく、墨色は漆を点じたように濃く、書写・彫刻の精緻さ、誤植の少なさ、印刷の美しさ、保存状態の良さにおいて、宋版さらには中国の木版印刷史上でも屈指の名品とされています。
　版式や行間の構成、巻末の経注字数の記載は、台北・故宮博物院に所蔵される南宋孝宗期の刻本『爾雅』三巻と一致しており、五代・北宋期の監本に最も近い宋版『礼記注』と評価されています。
　宋蜀大字本は、抚州本・余仁仲本と並び、南宋期に異なる地域で刊行された『礼記』経注本の代表的な形式のひとつです。
　本書はもともと清朝宮廷の「天禄琳琅」に所蔵されていたもので、各巻の前後の副葉には「五福五代堂古稀天子宝」「八征耄念之宝」「太上皇帝之宝」などの印章が捺され、巻頭には「天禄繼鑑」「乾隆御覧之宝」、巻末には「天禄琳琅」「乾隆御覧之宝」の御璽が押されています。
　今回の刊行では、原本の姿を忠実に再現し、四色カラー印刷・線装にて出版され、『宋版集萃』叢書の一冊として世に出されました。