《近世臺灣鹿皮貿易考　青年曹永和的學術啟航》

　1947年二二八事件後,臺北實施戒嚴,一位二十七歲的年輕人走入有軍警駐守的臺灣大學,前往圖書館報到,成為一位館員。爾後,這位毫無史學訓練的年輕人,就在圖書館的一個小角落裡,慢慢地耕耘出他的學術天地,並意外成為臺灣早期歷史研究承先啟後的先行者。他就是曹永和先生,未來的中央研究院院士、著名的東亞海域史專家、一位自學成功的典範。
　曹永和憑藉著辛勤的自學,閱讀臺北帝大圖書館的龐大書籍,五年後寫出戰後臺灣人的第一篇長篇臺灣史學論文〈近世臺灣鹿皮貿易考〉。這份手稿是曹永和學術生涯的起點,雖因故未能及時發表,但六十年後,由中央研究院臺灣史研究所研究人員協助重編、補校,以新的面貌出版為這本《啟航:一篇傳奇的未刊稿〈近世臺灣鹿皮貿易考〉》。
　書中包括曹永和原作手稿復刻(包括黏貼、刪補等均以原貌呈現)、珍貴史料圖片與老照片、手稿打字、現代注釋與補充等。既是一本從鹿皮貿易切入荷蘭時期台灣史學的論述,也是一本具有典藏意義的手稿復刻本。

　1947年の二・二八事件後、台北では戒厳が施行されました。そのさなか、27歳の若者が軍警に守られた台湾大学に入り、図書館に赴いて勤務を開始し、館員となりました。のちに、この史学の訓練をまったく受けていなかった若者は、図書館の片隅で静かに学問の世界を切り開き、思いがけず台湾初期歴史研究の橋渡しとなる先駆者へと成長していきます。この人物こそ曹永和先生であり、後に中央研究院院士、東アジア海域史の著名な研究者、そして独学で成功した典範として知られるようになります。
　曹永和先生は、勤勉な独学によって台北帝大図書館の膨大な蔵書を読み込み、5年後には戦後台湾人による最初の本格的な台湾史研究論文「近世台湾鹿皮貿易考」を書き上げました。この原稿は曹先生の学術的出発点となるものでしたが、事情により当時は発表されませんでした。60年後、中央研究院台湾史研究所の研究者の協力により再編集・校訂が行われ、新たな姿で本書『啓航:一篇伝奇的未刊稿〈近世台湾鹿皮貿易考〉』として刊行されました。
　本書には、曹永和先生の原稿の復刻(貼り付けや加除修正を含め原貌のまま再現)、貴重な史料写真や古写真、原稿のタイプ版、現代的な注釈や補足などが収録されています。鹿皮貿易を切り口としてオランダ時代台湾史を論じた研究書であると同時に、資料的価値の高い手稿復刻本でもあります。