<概要>
電子化日: 2012年 11月1日
印 刷: 不 可
目 次: あ り(しおりもあり)
文字検索: 可能(コピーは不可)
元データ: 印刷用データから
利用可能台数:PC用1台、スマートフォン用1台　合計2台
<内容紹介>
　黒曜石原産地遺跡・「白滝コード」を読み解く!
　巨大な黒曜石の露頭や産出地に囲まれた白滝・幌加沢遺跡遠間地点でのおよそ25年間におよぶ発掘調査は、100�屬頬�たない発掘区から量にしておよそ56万点、重量にして1.5トンを超える大量の石器や剥片類をもたらした。本書は、日本列島最大の旧石器時代の石器製造センターの実態をこれら大量の資料を駆使しながら解き明かす意欲的な総括的調査報告書であるが、人類によって築かれた白滝の黒曜石原産地遺跡に発する石材流通網、そして東北アジアに広がる湧別技法を有した人びとの文化のつながりについて広域的な全容解明を目指す最新の研究書でもある。
　また、遺跡の名は、ひとりのアマチュア考古学者の遠間栄治に因んでいるが、白滝遺跡群の発見者・遠間栄治の業績を日本や北海道における旧石器研究前史の時代から読み解き、これまでに知られていなかった新たな事実をおりまぜながら、日本、北海道の旧石器研究史の再構築を目指す興味ある付編が添えられている。
<目次>
I.遺跡と発掘
1.遺跡の位置と周辺の遺跡　2.黒曜石と原産地遺跡
3.発掘調査に至る経緯　4.これまでの発掘調査
5.発掘調査の方法　6.遺跡にみられる地層
7.発掘調査で出土した遺物
II.出土遺物各論
1.細石刃核、細石刃、そしてそれらの関連資料
2.細石刃核ブランク(残核)、スポール類、そして接合資料から細石刃生産システムの多様性を読み解く
3.石刃核、石刃、そして接合資料からみた石刃生産システム
4.その他の石器
III.関連出土資料の分析
【事例1】　幌加沢遺跡遠間地点出土の彫器に残された痕跡から機能を探る
【事例2】　幌加沢遺跡遠間地点出土後期旧石器時代の炭化材樹種同定
【事例3】　放射性炭素年代測定
IV.黒曜石と技術から探る旧石器人類の動きと石材獲得・消費の戦略―「まとめ」にかえて
1.新(第二次)「遠間コレクション」の学術的位置づけ
2.幌加沢遺跡遠間地点の人びとの石材獲得地はどこか
3.幌加沢遺跡遠間地点から石材や石器類は、いずこに搬出されたか
4.白滝、その後―白滝産黒曜石の獲得と運搬(その1)
5.白滝、その後―白滝産黒曜石の獲得と運搬(その2)
6.湧別技法とその広がりをめぐる諸問題
付編　遠間栄治に導かれた白滝石器製造センターの発見と日本旧石器文化研究の夜明け