『営建儀軌』は朝鮮時代建築の背景要素を、営建儀軌を通じて分析し整理されたものです。営建儀軌は、朝鮮時代王室で用いられた各種建築物の工事内容を記録として残した一つの建築工事報告書です。朝鮮時代、営建儀軌は主に宮廷建築が対象で、その他宗廟のような祀廟があり、例外的に水原華城築造を扱った儀軌があります。本書は今はなくなってしまった宮廷建築のを文章で伝え、木材はどこで調逹し、丹青顔料はどのように手に入れ、煙瓦職人はどのような者だったのかなど、当時の建築工事に係わるほとんどすべての事柄を教えてくれます。また、朝鮮時代の工人たちの間で使われた建物細部の用語が現代にも多く残されていることがわかります。