2014年11月1日より価格が改定となりました

本編では「国内流通編」「海外流通編」に分けて詳しく説明しています。特に海外流通については、これまでその全体像を伝えるものはほとんどありませんでしたが、本編はその全貌を明らかにした画期的な一冊といえます。
　ある時は、解体される白壁土蔵の旧家で襖の下張りから丹念に資料を掘り出し、ある時は大福帳等の古文書を紐解き、現存する資料の中から詳細に分析を加え、ついに明かした「古伊万里の流通史」。
　古伊万里のふるさと伊万里でしか実現できなかった流通の歴史を日本のみならず今回は世界各地まで発展させました。

　　　　<目　次>
一　国内流通編
　　第 1章　伊万里焼の生成と流通の開始
　　　第1節　伊万里焼の生成
　　　第2節　伊万里焼の流通の開始
　　第 2章　伊万里焼流通の展開
　　　第1節　17・18世紀の江戸・大阪市場
　　　第2節　伊万里の陶商前川善左衛門
　　　第3節　京都焼物問屋原田弥三右衛門
　　第 3章　伊万里焼流通の統制(一)
　　　第1節　御屋敷売りと御上仕込法の実施
　　　第2節　相対仕込制への復帰
　　　第3節　大阪為替仕法の実施と廃止
　　第 4章　伊万里焼流通の統制(二)
　　　第1節　享和元年の大阪新問屋一手仕法
　　　第2節　大阪備前屋徳兵衛と筑前唐津屋治太郎
　　　第3節　化政・天保期の江戸市場
　　　第4節　化政・天保期の大阪市場
　　第 5章　伊万里焼流通の統制(三)
　　　第1節　見為替仕法と窯焼き・商人
　　　第2節　嘉永期大阪の仕法改革と仲買商人
　　　第3節　兵庫の肥前屋粘右衛門
　　　第4節　江戸陶器蔵元犬塚駒吉
　　　第5節　大阪蔵元鴻池庄兵衛
　　　第6節　百武郡令と皿山商社
　　　　　　　年表
　　第 6章　伊万里津の陶商と旅商
　　　第1節　「伊万里歳時記」に見る伊万里津
　　　第2節　伊万里津の歴史的形成
　　　第3節　伊万里津の陶商松尾家と旅商
　　　第4節　伊万里津の陶商前川家と旅商
　　第 7章　伊万里津陶商と有田皿山など
　　　第1節　伊万里津の陶商前川家と有田皿山
　　　第2節　寛政期の前川家日記
　　　第3節　寛政期の前川家と大阪問屋備前屋徳兵衛ら
　　　第4節　寛政期の前川家と有田窯焼き
　　　第5節　伊万里陶商松尾家と有田窯焼き
　　　第6節　伊万里陶商松尾家と志田山窯焼き
　　　第7節　伊万里の陶商武富家
　　第 8章　筑前の陶器商人
　　　第1節　芦屋の献灯など
　　　第2節　筑前商人の旅行切手
　　　第3節　筑前商人の仲間規約
　　　第4節　筑前商人の旅行
　　　第5節　筑前国志摩郡「下浦」の陶器商人
　　第 9章　紀州箕嶋の陶器商人
　　　第1節　江戸通いの由来
　　　第2節　直売から問屋制へ-江戸市場の変質
　　　第3節　江戸近国田舎への行商
　　　第4節　箕嶋商人の陶器仕入れ
　　第10章　伊予桜井浦の陶器商人
　　　第1節　伊予桜井と綱敷天満宮
　　　第2節　伊予桜井の陶器商人
　　　第3節　桜井浦陶器商人の痕跡
　　第11章　日本海海域への流通
　　　第1節　出雲・石見地方
　　　第2節　越後・出羽地方
　　　第3節　若狭小浜から越後今町まで
　　第12章　絵薬
　　　第1節　伊万里・有田の絵薬商人
　　　第2節　絵薬の輸入と売買
　　　第3節　有田の絵薬座と伊万里陶商
　　第13章　柞灰
　　　第1節　対馬の柞灰
　　　第2節　豊後の柞灰
　　　第3節　日向・薩摩の柞灰と柞灰請元制
　　　第4節　伊万里商人と柞灰
二　海外流通編
　　第 1章　伊万里焼の海外輸出前夜
　　第 2章　伊万里焼海外輸出の幕開け
　　第 3章　伊万里焼海外流通の実態
　　　第1節　東南アジア市場への輸出
　　　第2節　アジア市場への輸出
　　　第3節　ヨーロッパ市場への輸出
　　　第4節　海外流通システム
　　第 4章　地域ごとの伊万里焼の特出
　　　第1節　東南アジアに流通した伊万里焼
　　　第2節　西アジア・アフリカに流通した伊万里焼
　　　第3節　ヨーロッパに流通した伊万里焼
　　第 5章　伊万里焼海外輸出の衰退
　　第 6章　幕末・明治の海外輸出