<内容>
　集落・墓・生業をテーマに、3年にわたった関西縄文文化研究会の研究集会の成果を踏まえ、気鋭の研究者18名が各地域の具体的な資料に基づいた最新の研究成果を公表する。遺物論に偏りがちな従来の関西の縄文文化研究に、新たな研究方向を提示する意欲的論文集。16編の論文を収載。
<目次>
集落と住居
1 関西縄文社会における集団規模の推移　人口と居住集団の数量的変化をめぐる検討　瀬口眞司 　
2 愛知県における縄文集落研究の現段階　伊藤正人
3 飛騨の縄文住居　岩田崇　大石崇史
4 岐阜県美濃地方における縄文時代建物遺構の変遷　春日井恒・長谷川幸志　 　
5 縄文集落の立地と規模　伊勢湾西岸地域の場合　田村陽一
6 大阪府下の縄文遺跡(その4) 　北河内編　松尾洋次郎
7 縄文遺跡の動向 -遺跡立地からみた兵庫県の縄文遺跡　平田朋子
8 縄文集落研究の課題　鈴木保彦
墓地の諸相
9 棺の構造からみた縄文晩期葬法研究について 近畿・東海・中部高地・北陸地方を中心に　川添和暁
10　「子供への投資」に関する基礎的研究　山田康弘　
生業と交流
11　近畿「集石」研究素描　菅原章太 　
12　煙道付炉穴及び炉穴に関する一考察　小濱学 　
13　河内湾における先史漁撈関連資料の評価　大野薫
14　縄文時代の加工場型貝塚について　東海地方における海浜部生業の構造　岩瀬彰利　 　 　
15　紀伊半島東部における石器石材利用のあり方(予察)　その1　三重県の縄文時代草創期・早期のサヌカイトを中心に　久保勝正
16　山・川・湖、縄文時代の道を考える　琵琶湖地方の遺跡と運搬具・はきものの検討から　植田文雄