※美本在庫が無いため品切れとしました(2025.8)
※日本語版のみ収録の補論・写真・図版あり
<内容>
　百済がいつ、どのように国家として成長したのかという点にあった。「百済考古学」とは、百済が残した物質的資料を研究対象とするため、「百済土器」「百済古墳」などのように日常的に使用している考古学資料の冠形句である「百済」の意味を明らかにする必要がある。このときの「百済」が国家段階の政治体としての名称であるならば、百済考古学における最優先の課題は結局百済の国家形成問題に帰結されると考えたのである。・・・「漢城百済の考古学」とした理由は百済の国家形成期を主に扱っているためであるが、「漢城」という冠称は百済が都を現在のソウルに置いていたときの都城の名称に由来するもので、本書の内容を通じてわかるように、国家の形成において城郭の出現が持つ意味を強調するためである。・・・学位論文で全く扱えなかった部分や論旨の補強が必要な部分があり、3篇の単独論文を補論として巻末に加えた。「馬韓における対外交渉の変遷と百済の登場」「深鉢形土器考」「栄山江流域の前方後円墳と埴輪」である。ともに学位論文で具体的に扱えなかった百済国家の成長背景に対する解釈を追及する目的で作成したものである。(はじめにより抜粋)
<目次>
序論
第1章　百済国家形成論の現状と方法論の模索　
第2章　漢江流域における百済基層文化の展開過程
第3章　百済土器の形成と百済の国家形成
第4章　漢江流域における古墳の変遷と百済の国家形成
第5章　漢江流域における城郭の出現と百済の国家形成
第6章　百済の成長過程
結び
参考文献
補論
馬韓における対外交渉の変遷と百済の登場
深鉢形土器考
栄山江流域の前方後円墳と埴輪
訳者後記
索引