※埼玉考古第41号です
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◆内容紹介◆　　　　　　　　
埼玉考古学会は、昭和30年(1955)に県内考古学研究者が一堂に会し設立された。機関誌『埼玉考古』の発行や遺跡報告会、シンポジウムの開催を通して、地域に根ざした考古学研究を継続し、地方考古学会の魁として日本考古学の発展に大きく貢献してきた。
本書は、埼玉考古学会設立50周年を記念して刊行する論文集である。会員の日頃の研究成果が、旧石器時代から江戸時代にわたる41の雄編として結実している。県内の考古学研究のみならず、日本国内から大陸へとテーマは大きく広がる。最新の調査研究の成果を活かし、新しい地域史叙述の可能性、延いては日本考古学進展への意気込みを感じ取っていただければ幸いである。(埼玉考古学会50周年記念事業実行委員会)
<目次>
刊行にあたって 塩野　博
石器の工学的研究―ヒト動作再現する加工礫器の利き手検証・予察― 梅津　昇
抉入尖頭器の構成要素 田中英司
宮林遺蹟から二〇年―縄紋式草創期「爪形文系土器群」研究の持続可能性― 鈴木正博
関東地方における縄文草創期〜早期の竪穴住居について 宮崎朝雄
関東縄文前期後半期の系統性と連鎖関係―黒浜式と諸磯a式をめぐる諸関係― 細田　勝
荒川流域における諸磯c式土器の成立と展開―荒川河床の低地遺跡である芝沼堤外遺跡調査成果の意義― 金子直行
諸磯c式土器に関する一断想 鈴木敏昭
加曽利E式土器成立期に於ける埼玉およびその周辺の土器 青木義脩
縄文時代中期後葉の柄鏡形住居出現期の様相―埼玉県を中心として― 本橋恵美子
さいたま市東北原遺跡出土の動物形土製品について―動物形土製品への視点― 土肥　孝
木製浅鉢の製作に関する覚書―福島県荒屋敷遺跡出土例を中心として― 栗島義明
ある弥生集落の終焉 岩田明広
埼玉の弥生後期土器についての一考察(予察) 小出輝雄
大きな方形周溝墓出土の超大型壺 柿沼幹夫
方形周溝墓・周溝の覆土と出土状況―鍛冶谷・新田口遺跡― 福田　聖
弥生時代の打製石鏃　―北武蔵地方における打製石鏃の終焉― 村松　篤
『武藏志』と福島東雄の考古学―豪農文人が観た埼玉の古墳― 塩野　博
无邪志国造と埼玉古墳群 雨宮龍太郎
模様積石室墳の築造規格について―神川町青柳古墳群の調査事例から― 金子彰男
猪俣北古墳群内遺跡出土の把手付甑 中沢良一
古墳時代における末野窯跡群の生産と流通 大谷　徹
倭の百済系素弁文様軒丸瓦の系譜―寺谷廃寺瓦製作技法の検討― 坂野和信
七世紀における「在地系土師器」の出現と歴史的意義―武蔵野台地北西部の無彩系・黒色系土師器の一事例― 尾形則敏
北武蔵における評の成立 知久裕昭
律令制成立期における須恵器流通の一様相　―八幡太神南遺跡群出土須恵器の検討― 富田和夫
生産地から見た須恵器流通の諸問題 渡辺　一
古代武蔵国入間郡における交通と地域社会　―若葉台遺跡・東の上遺跡の史的意義― 原　京子
古代の北武蔵と菱―菱子貢進木簡と菱田― 伊佐治康成
朝鮮半島と日本の底部糸切り離し技法 酒井清治
新羅建郡と古代武蔵国の鉄生産 赤熊浩一
武蔵国大里郡大字胄山小字雷発見の「田村」と記した祝部土器―明治十一年発見の墨書土器について― 宮瀧交二
古代の地域開発と牛馬の管理 田中広明
足立郡における九世紀後半から一〇世紀の煮炊具について 末木啓介
武蔵国における村落寺院について 井上尚明
古代笠の一例―熊谷市北島遺跡例からみた― 鈴木孝之
大宮台地における城館跡と街の成立について―足立郡誕生から戦国期の街を考える― 秦野昌明
備蓄古銭の検討―出土地点の詳細から― 赤石光資
埼玉県熊谷市妻沼経塚の再検討 水口由紀子
板碑と中世墓の相関について 磯野治司
江戸周縁地域に見る墓制―中世から近世における連続性と非連続性― 田口哲也
埼玉県の近世墓について 野澤　均
あとがき 高橋一夫
執筆者紹介