<内容紹介>
2004年2月に開催された第9回大会シンポジウム「東日本における古墳出現について」の発表成果をまとめる。
<推薦します>
なぜ、古墳が生まれたのか?弥生時代・数百年間の日本列島は、方形墳が中心だった。それがあるとき円形墓に変わった。しかも、円形墓に突出部とか張出部とよんでいる“シッポ”が付いている。やがてそれが、ヤマト政権のシンボルとして全国に広まったのだという。それならば列島で最も古い突出部付き円形墓(前方後円墳ともいう)は、いつ、どこに現れたか?よく、ヤマトだというが、本当だろうか?東北・関東では、初期には突出部の付いた方形墓(前方後方墳ともいう)が中心で、地域によって円形墓が参入してくる。住み分け、入り乱れ、いろいろとありそうだ。本書では近畿だけでは分からない東北・関東の人々の方形墓(伝統派)と円形墓(革新派)の実態が地域ごとに整理されていてありがたい。その上、討論では最新の資料にもとづく新見解が次々と飛び出し、楽しい。討論から入り、ときとぎ講演と報告にもどる読み方もありそうだ。石野博信(徳島文理大学　教授・奈良県香芝市二上山博物館館長)
<目　　次>
開会挨拶 　3
�機ゝ�念講演・基調講演
　　 基調報告・資料報告
記念講演　東日本の古墳出現の研究史―回顧と展望― 小林　三郎　 9
基調講演　オオヤマト古墳群における古墳出現期の様相　今尾　文昭　 31
基調報告1　相模湾岸―秋葉山古墳群を中心に― 山口　正憲 　57
基調報告2　編年的整理―時間軸の共通理解のために― 青山　博樹 　73
基調報告3　円・方丘墓の様相―中部高地を中核に― 青木　一男　 80
基調報告4　副葬品―剣・鏃・鏡などを中心に― 田中　　裕 　98
基調報告5　土器・埴輪配置から見た東日本の古墳出現古屋　紀之　111
資料報告1　房総半島―市原・君津地域を中心に― 酒巻　忠史　139
資料報告2　関東平野東北部―茨城県を中心に― 日高　　慎　155
資料報告3　関東平野　北部 今平　利幸　169
資料報告4　関東平野　北西部 深澤　敦仁　181
資料報告5　北　陸―富山・新潟― 八重樫由美子　200
資料報告6　東　北　南　部 黒田　篤史　220
資料報告7　関東平野　南部―川崎地域を中心に― 吉野真由美　236
�供〜躪臚さ帖〇焚顱�進行:立花実・西川修一・浜田晋介
　東日本における古墳出現について 257
東日本における古墳出現期に対する「評価」について
　　　―あとがきにかえて― 西川　修一　305
引用・参考文献 308
コ ラ ム
1　古墳出土土器は何を語るか
　　　―オオヤマトの前期古墳調査最前線― 小池香津江　 53
2　前期古墳の時期区分 大賀　克彦　131
3　群馬県太田市所在・成塚向山1号墳
　　〜新発見の前期古墳の調査速報〜 深澤　敦仁　196
4　新潟県の方形台状墓〜寺泊町屋鋪塚遺跡の調査から〜八重樫由美子　216
5　北縁の前期古墳〜大塚森(夷森)古墳の調査成果概要〜大谷　　基　232
6　埼玉県の出現期古墳―そして三ノ耕地遺跡― 石坂　俊郎　245
7　廻間�脅阿了�代 赤塚　次郎　251
8　畿内「布留0式」土器と東国の出現期古墳青木　勘時　301