<内容>
　今日までの韓国の旧石器文化研究の歴史とその実体を新しい分析法により解明した研究である。作者は韓国と日本のフィールドを両方見て、同じ目線で遺跡を分析しようと試みた。本文の中には韓国で報告が行われた重要な遺跡出土遺物の豊富な実測図を載せ、韓国の旧石器時代を理解するための資料を提供している。また、本文中に出てくる勧告の旧石器時代遺跡の層位図の掲載は、出土遺物の総合的な比較を可能にした。それとあわせて掲載した編年図は、地層と出土遺物による遺跡の中身を見せようとした。日本では初めての本格的な韓国旧石器研究の書。
<目次>
I 　旧石器時代における北東アジアのEpoch
　1 韓国の旧石器時代研究
　　1)石壮里以前の研究
　　2)遺跡研究と緊急発掘(石壮里遺跡の発見)
　　3)層位学と型式学的な研究
　2 日本国九州島の研究
　　1)中期旧石器時代の石器群を探して
　　2)九州島の後期旧石器時代石器群の登場
　3 問題提起
　　1)中期旧石器時代と後期旧石器を境にした石器群構造の変化
　　2)対馬'大韓海峡と旧石器時代
�供ゝ貔亟鏤�代と自然環境
　1 後期更新世の自然環境と石器群
　　1)後期更新世末期の海水面変動(日本海・東海の淡水化)
　　2)自然環境と石器群の相関関係
　2 動物化石(骨)に現れる後期旧石器時代と以前の自然環境
　　1)洞窟遺跡と動物化石の分布
　　2)後期旧石器時代以前と以降の動物相
　　3)動物化石(骨)と道具
�� 中期から後期旧石器時代へ
　1 日本国九州島の石器群
　　1)鋸歯縁石器と中期旧石器時代
　　2)台形様石器の出現とナイフ形石器との関係
　　3)九州島の石刃技法と剥片尖頭器
　2 韓国の旧石器
　　1)石核石器類(礫器類)と韓国の旧石器時代
　　2)鋸歯縁石器(Denticulate)と後期旧石器時代の開始
　　3)韓国における石刃技法
　　4)韓国における剥片尖頭器の登場
　3 中期から後期旧石器時代への北東アジアの石器群
　　1)前期から後期へ継続する礫器(石核石器)群
　　2)北東アジアの石刃技法
　　3)北東アジアの剥片尖頭器
�� 遺跡(石器群)解釈のための構造的接近
　1 韓国の後期旧石器時代と以前の石器製作
　　1)石核石器(礫器)と剥片石器の二極構造
　　2)前・中期旧石器時代の石器製作技術
　2.遺跡の形成
　　1)遺跡に残された過去の時間
　　2)石器製作作業内容の分析(特化されたブロック)
V 韓国の旧石器時代石器群構造変動論
　1.韓国旧石器時代編年論へのアプロチ
　　1)遺跡に付された絶姑年代
　　2)三つの時期と8つのセクション
　2 ソイルウェッジ(Soil wedge)と広域火山灰による編年
　　1)韓国のソイルウェッジと編年
　　2)後期更新世の広域火山灰
結び
韓国語要約