<内容>
170余面の中世和鏡出土
伊豆諸島域の祭祀の実相を明確にする
本書で報告する阿豆佐和気命神社境内祭祀遺跡は、1998年から2003年までの6ヶ月間に亙り発掘調査を実施したものである。(中略)検出遺構は、板状の積石による5基並列する基壇状小祠遺構と、これに並行する形で同じく積石による大型基壇2基を基本とし、これらに加えて両遺構の間隙は基より、その上面まで累々たる集石遺構を築営したものであった。　(中略)
概ね12世紀から17世紀に亙り、連綿と形成され続けた和鏡を伴う伊豆島嶼部の祭祀遺構であることが判明した。これにより、総数170面を凌駕する出土中世和鏡が遺存する伊豆諸島域の和鏡を伴う祭祀の実相を明確化し得たところに、本遺跡の学術的価値が確認されよう。　　　(「発刊の辞」より抜粋)
<目次>
第1章　調査に至る経緯及び経過
　第1節　調査に至る経緯
　第2節　調査の経過
第2章　利島の地理的歴史的環境
　第1節　地理的環境
　第2節　歴史的環境
　第3節　阿豆佐和気命神社
第3章　基本土層
第4章　検出された遺構と遺物
　第1節　積石遺構調査区の遺構と遺物
　第2節　トレンチ調査区の遺構と遺物
第5章まとめ
　第1節積石遺構の変遷
　第2節遺物
第6章　結語.
附　伊豆諸島出土の中世和鏡
引用参考文献