<内容>
2000年刊行の『古墳と古墳群の研究』の姉妹編。前著は古墳の政治史的研究を目指した論文を収録、今回は古墳の文化史的研究を集めたもの。1967年〜1999年に発表された論文を集めたもので初出はありませんが、発表後の批判や研究成果をもとに補注が施されています。
<目　次>
I　古墳の構造が語るもの
1　古墳の周濠　
　発掘調査で確認された古墳の周濠　古墳周濠の類型と変遷過程
　周濠をもつ古墳の分布　古墳の周濠の機能と性格
2　古墳と方位
　古墳の造営と方位　前中期古墳と方位
　後期古墳と方位　終末期古墳と方位
3　伊那谷の横穴式石室
　実測調査した横穴式石室　横穴式石室の分類と編年
　横穴式石室の系統　下伊那の横穴式石室が提起する問題
4　岩屋山式の横穴式石室　
　岩屋山古墳とムネサカ一号墳の横穴式石室　岩屋山式と同亜式の諸例
　岩屋山式石室の年代　岩屋山式石室の占める位置
　岩屋山式石室の歴史的性格
5　終末期横穴式石室の型式編年と暦年代
　畿内における終末期横穴式石室の型式編年
　横穴式石室の型式と副葬須恵器の型式　各型式の暦年代
�供仝妬�の副葬品が語るもの
6　古墳出土の石製模造品　神まつりと古墳の祭祀
　古墳の石製模造品の変遷　古墳の石製模造品と祭祀遺跡の石製模造品
　古墳における石製模造品のあり方　農工具の石製模造品化の意味
　神まつりと古墳の祭祀
7　大鷲神社古墳の石枕　
　大鷲神社古墳とその石枕　石枕の型式と年代
　常総型石枕の機能と性格　常総型石枕の分布の意味
8　五世紀の有銘刀剣
　稲荷台一号墳と「王賜」銘鉄剣　稲荷山古墳と「辛亥年」銘鉄剣
　江田船山古墳と江田船山大刀　五世紀の有銘刀剣が語るもの
9　藤ノ木古墳出上の鉄製農工具
　藤ノ木古墳出上の農工具　古墳副葬農工具の変化
　農工具副葬の意味するもの　藤ノ木古墳に農工具が副葬される意味
10　玉纏太刀考
　大刀形埴輪に表現された大刀　梯形柄頭大刀
　『廷喜式』にみられる玉纏横刀　洸魚術を伴う倭風大刀
�掘仝妬�の祭祀儀礼と他界観
11　>」とどわたし考　横穴式石室の埋葬儀礼をめぐって
　「ことどわたし」の意味　横穴式石室の閉塞施設
　横穴式石室墳をめぐる埋葬儀礼　後期古墳における喪葬儀礼の展開　
12　装飾古墳にみる他界観
　北中九州の石棺系石障系装飾古墳の図文の意味
　北中九州の壁画系装飾古墳の壁画の意味
　北。中九州の壁画系装飾古墳にみられる東アジア系モチーフ　九州の装飾古墳と他界観
13　埴輪の世界　
　円筒埴輪と形象埴輪　人物埴輪群像の意味するもの　古墳の造られた時代
14　古墳と政治連合
　東アジアにおける日本の古墳　古墳出現前夜　古墳の出現　畿内の古墳
　東国の古墳　古墳の変質　古墳の終末
15　後期古墳の成立と展開
　横穴式石室の受容　　後期古墳の成立　畿内の後期大型古墳の動向
　西国と東国の後期古墳　古墳の終末　
16　弥生・古墳文化論
　弥生文化と倭人　古墳文化の成立　古墳文化の変質　古墳の名称　
　地名と古墳の名称　前方後円墳の名称　古墳の形状と名称
　被葬者と古墳の名称　伝説と古墳の名称