<内容>
　山梨県者古学協会では、2000年と2005年に「牧と者古学―馬をめぐる諸問題」を開催し、古代から近世にわたる牧の空間構造、馬の生産流通、飼育などに関わる諸問題を、者古学、文献史学、有職故実などの視点から論議してきた。
　一方、牛は、全国各地の古墳時代以降のさまざまな遺跡から骨となつて出土し、また文献では、『日本霊異記』などで負債弁済のために人が牛になってしまう説話で登場するなど、古代以来、人との結びつきが強い動物の一つである。しかしながら、牛が飼育されていたはすの牧の実態やその飼育方法、利用実態など、未解明の問題はまだ多い。そこで今回は、牧と者古学シリーズ第2弾として牛をとりあげ、者古学、文献史学、民俗学などの視点から牛を者えてみたい。(開催趣旨より抜粋)
<目次>
平野 修　遺跡の中のウシ
鷹野義朗　文献史料からみた古代の牛について
中澤克昭　中世における牛と人の諸関係
笹生 衛　古代日本の祭祀と牛
河野通明　在来黎と牽SI具から見た日本の牛馬
田中広明　考古学からみた牛の利用―蘇の貢納と牛のいた村―
植月 学　動物者古学からみた牛の利用