<内容>※扉ページより
　2001年に開催された西伯耆弥生集落検討会『山陰地方における弥生時代前期の地)或相』において、集成された資料をもとに山陰地方各地域の農耕社会成立期に係る研究の現状と課題が討論されました。それから十数年が経過し、近年、新資料の増加とともに、新しい視点や方法による調査や分析も試みられています。
　第41回山陰考古学研究集会では、“現在、山陰地方における農耕社会の成立をどのように素描できるのか"ということを課題に、農耕社会成立期の山陰地方について検討を行います。
<目次>
総論
森岡秀人　農耕社会の成立をいかに描くか
地域報告
奥原このみ　鳥取県における縄文―弥生移行期の様相
幡中光輔　縄文・弥生移行期の遺跡群動態―島根県の平野部・山間部を中心に―
遺構・遺物論
中川寧　山陰地方における農耕社会成立期の木製品
濱田竜彦　山陰地方における初期遠賀川式土器の展開と栽培植物
谷畑美帆　人骨に残された記憶をたどる―骨病変として観察される所見を中心として
高田健一　山陰地方における弥生時代前半期の墓制
地域交流論
中村豊　結晶片岩製石棒の拡散
田畑直彦　関門地域と山陰地方
中沢道彦　山陰からの初期農耕の拡散と交流―東日本の視点から
資料集成
鳥取県(作成者:奥原このみ)　※約110ページ
島根県(作成者:幡中光輔)　※約300ページ