<内容>※開催趣旨より抜粋
湖北の一向一揆から本願寺籠城へ
　元亀元年(1570)9月、大坂本願寺は全国の真宗門徒に檄を飛ばし、織田信長との戦闘を指示しました。その頃、湖北の戦国大名浅井長政は、織田信長と敵対関係でしたが、湖北の一向一揆はこの浅井軍と共に、天正元年(1573)に同氏が滅亡するまで、信長と戦いました。さらに、浅井氏が滅亡した後も、湖北の坊主・門徒の中には、大坂本願寺に籠城し、信長との戦いを続けた者もいました。
大坂本願寺開城と東西分派への道
　天正8年(1580)閏4月、顕如上人は信長との戦いについて、勅命講和を受け入れ、本願寺を退去します。これに対して、顕如の子・教如は徹底抗戦をとなえて8月まで籠城を続けました。この本願寺内の意見や行動の相違が、後に本願寺の東西分派を呼ぶことになり、湖北の寺院や門徒にも多大な影響を与えることになるのです。
顕如・教如両上人の人物像は
　今回の企画展では、顕如上人と共に、一向一揆の主導者であった教如上人の400回忌の年であることを記念し、信長・秀吉と戦い、また信長亡き後は豊臣政権と微妙な関係を保った本願寺と湖北門徒の動きを紹介します。顕如上人が指揮した湖北一向一揆の具体像、さらに湖北における東西分派をめぐる動揺、教如上人の人物像、西美濃から北近江に残る教如信仰について紹介し、秀吉が活躍した北近江の戦国時代の実像を、宗教面から明らかにします。