<内容>※”ごあいさつ”より抜粋
　この40年間で山形県教育委員会や市町村教育委員会、山形県埋蔵文化財センターが実施した発掘調査は1,300件を越え、県内から出土した文化財の数はコンテナで78,000箱に達しました。その調査の多くは開発事業の伴う緊急調査でありましたが、遺跡の重要性から工事計画を変更して保存され活用が図られた遺跡もあります。国史跡となった酒田市堂の前遺跡、天童市西沼田遺跡、米沢市一ノ坂遺跡、古志田東遺跡、県指定の史跡で保存が図られた鶴岡市平形遺跡、市町村の史跡となった山形市大之越古墳、村山市中村A遺跡、遊佐町大楯遺跡などです。また、市町村教育委員会などによる学術調査を経て国の史跡となったものに、南陽市格荷森古墳、川西町下小松古墳群、大江町左沢楯山城跡があります。
　調査で出土した舟形町西ノ前遺跡の「縄文の女神」は国宝となり、高畠
町押出遺跡の縄文時代前期の多彩な出土品と最上町水木田遺跡の縄文時代中期の出土品は重要文化財に指定されました。そして、山形市大之越古墳出土品、お花山古墳群出土品、酒田市俵田遺跡の祭祀遺構出土品、酒田市生石2遺跡の弥生土器、山形市菅沢2号墳の埴輸、村山市宮の前遺跡の人体装飾付土器、米沢市西町田下遺跡の円面硯が県指定の文化財となりました。40年間の発掘調査は、山形県の原始・古代。中・近世の歴史を大きく塗り替えました。
<目次>　
序章　急速に進んだ山形古代史解明の背景
第I章 解明された創世記の山形
第1節 後期旧石器時代前半期の石器製作と消費地のムラ
第2節 後期旧石器時代後半期
第3節 後期旧石器から中石器時代ヘ
第4節 中石器時代初頭のムラ
第�蕎浪鯡世気譴親貶源�代の山形
第1節 環大谷地遺跡群
第2節 縄文のタイムカプセルー押出遺跡一
第3節 大規模集落の発展
第4節 河サ||に沿う後晩期のムラ
第5節 祭祀とロノ巳術の縄文社会
第�珪浪鯡世気譴震鐇源�代の山形
第1節 研究抄史
第2節 生石2遺跡出土土器と炭化米
第3節 百刈田の上器に見る稲作文化
第�絃浪鯡世気譴晋妬�時代の山形
第1節 山形県の古墳変遷
第2節 置賜地域の古墳の変遷
第3節 集落内祭祀
第V章解明された出羽国の成立と展開
第1節 出羽国ができるころ
第2節 平安の出羽国府と国分寺
第3節 出羽国南部の官行と官人
第4節 出羽国南部の生業
第5節 出羽国南部の祭祀と仏教
第6節 古代律令制の崩壊
第�詐浪鯡世気譴臣羔畧ぞ覺曚反諭�
第1節 蘇る出羽国南部の中近世
第2節 酒田湊の鎮城「亀ヶ崎城」本丸・二の丸
第3節 山形城二の九屋敷の風雅
第4節 米沢城二の丸堀出土の信仰遺物
終章 未来にむけて
資料編　※山形県の発掘調査報告書の一覧