本書に収録した土器・陶器は、青銅器時代から朝鮮時代までの各時代に及ぶ。中でも、貞柏里227号墳や梁山夫婦塚の一括出土品は、それぞれ楽浪や新羅の土器文化を知るために好道の資料となっている。原三国時代の瓦質土器は、日本に所在する例は稀であり、まことに貴重なものである。百済・加耶,新羅土器は、日本の須恵器とも技術的に通ずるものであるとともに、日本の古墳時代・奈良時代の遺跡から出土することがあり、当該遺跡の年代や性格の推定にも重要な意義を有している。また、国内で出土する朝鮮陶磁のほとんどが破片資料であるのに対し、当館所蔵品は完形品を多く含む点に特徴があり、出土資料との比較材料としても活用される。高麗・朝鮮時代の土器は、近年漸く研究が活発となってきたもので、青磁、白磁等のみではうかがい知れない庶民の生活を解明する手がかりとなる。　※本書”序”より抜粋
※中央公論美術出版の市販増刷版のISBNは9784805504710

図版
I 青銅器時代の土器・土製品
�� 楽浪
1 瓦質土器
2 軟質土器
3 土製品.
4 緑釉陶器
�� 三韓
�� 百済と馬韓
1 百済陶質土器
2 百済軟質土器
3 緑釉陶器
4 馬韓土器
V 加耶
1 陶質土器
2 軟質土器
�� 新羅
1 陶質土器
2 軟質土器
3 土製品
4 土偶
5 緑釉陶器
�� 高麗・朝鮮時代の陶質土器
東京国立博物館所蔵朝鮮産土器・緑釉陶器の収集経緯
朝鮮陶磁史からみた館蔵土器・緑釉陶器の特色
参考資料 勾玉のある静物