<内容>
　現存する唯一の人類であるホモ・サピエンスの生物学的・文化的起源に関わる研究動向を踏まえて、アフリカの石器時代を対象とした考古学研究の最新成果をレビューし、名古屋大学が発掘調査したムトングウェ遺跡(ケニア)の意義について解説。名古屋大学によるアフリカ考古学調査の様子を26枚のカラー写真で示すと共に引用文献も豊富に示し、一般の方と共に研究にも資する内容。
　名古屋大学博物館において開催(2014年3月4日〜7月12日)の特別展「人類史上画期的な石器―名大のアフリカ考古学と南山大の旧石器コレクション―」の関連図書。
<目次>
1.　人類の2つの起源とアフリカ考古学
　1.1.　私たちはホモ・サピエンス、孤独な生存種
　1.2.　アフリカの石器時代にさぐるホモ・サピエンスの文化的起源
2.　アフリカの石器文化―初期ホモ・サピエンスの文化と行動は特別だったのか?―
　2.1.　アフリカの初期ホモ・サピエンスに伴う石器技術、骨器技術、象徴行動の変遷
　2.2.　アフリカMSA文化の解釈に関わる論争
　2.3.　ホモ・サピエンスの拡散説における東アフリカのMSA後半〜LSA初頭の重要性
3.　ムトングウェ遺跡の再評価
　3.1.　調査歴
　3.2.　遺跡の立地と石器資料の概要
　3.3.　ムトングウェ出土の第3イングストリー
4.　おわりに