【内容】
本書は『ホモ・サピエンスと旧人』シリーズの第3巻。
　副題を『ヒトと文化の交替劇』とし,ヒトの交替と文化の交替の関係について考古学の観点から整理を行なった。
　第�吃瑤任魯劵箸�交替したことが状況証拠から強く示唆されている地域、つまり新人旧人交替劇の主たる舞台となったユーラシア大陸西部で、石器群がどのように変わったのか、つまり文化の交替劇を眺めた。第�局瑤任魯劵箸�交替していない、あるいはわずかしか交替していないことがわかっている地域での文化の変化を点検した。データの解像度が高い新人遺跡についての論考が中心となっていいる。そして、第�敬瑤任蓮▲劵箸篳顕修�交替する、あるいは変化する背景やメカニズムについての論考を集めた。
【編者略歴】
西秋良宏(にしあき よしひろ)
1961年滋賀県生まれ.ロンドン大学大学院先史考古学専攻博士課程修了(Ph.D).現在,東京大学総合研究博物館教授.主な著書に, Lithic Technology of Neolithic Syria (Oxford, 2000),Tell Kosak ShamaliArchaeological Investigations on the Upper Euphrates, Syria, Vol. 1(co-editor,Oxford,2001),Vol. 2(co-editor, Oxford,2003),Neolithic Archaeology in the Khabur Valley, Upper Mesopotamia and Beyond(co-editor,Berlin,2013),Dynamics of Learning in Neanderthals and Modern Humans. Vol.1:Cultural Perspectives (co-editor, New York,2013),『遺丘と女神―メソポタミア原始農村の黎明』(編著,東京大学出版会,2008),『農耕と都市の誕生―西アジア考古学最前線』(共編著,同成社,2009),『紀元前3千年紀の西アジア―ユーフラテス河中流域に部族社会の起源を探る』(共編著,六一書房,2010),『ホモ・サピエンスと旧人―旧石器考古学からみた交替劇』(編著,六一書房,2013),『同2―考古学からみた学習』(編著,六一書房,2014)など多数.
【目次】
西秋良宏　はじめに
例　言
�機．劵箸慮鯊愀� ―考古学的証拠―
　門脇誠二「ホモ・サピエンスの地理分布拡大に伴う考古文化の出現パターン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―北アフリカ・西アジア・ヨーロッパの事例―」
　佐野勝宏・大森貴之「ヨーロッパにおける旧人・新人の交替劇プロセス」
　野口　淳「南アジア・アラビアの後期旧石器化と新人拡散」
　長沼正樹「新人拡散期の石器伝統の変化―ユーラシア東部―」
�供（顕修慮鯊愀�―新人遺跡が語るモデル―
　�眩辧―磧嵜径舂Δ悗凌型佑粒隼供戎型佑粒隼恐當�に関する比較考古学的アプローチ―」
　仲田大人「日本列島旧石器時代の文化進化」
　小林謙一「縄紋土器にみる新人の文化進化」
　松本直子「縄文から弥生への文化変化」
�掘仝鯊愀爐稜愀�
　佐野勝宏「複合的狩猟技術の出現―新人のイノベーション―」
　松本直子「新人・旧人の認知能力をさぐる考古学」
　前田　修「西アジアにおける新石器化をどう捉えるか」
　小林　豊「中期旧石器時代から後期旧石器時代への文化の移行パターンを左右する人口学的要因について」
西秋良宏「ヒトと文化の交替劇,その多様性―あとがきにかえて―」