※韓国側の発表も日本語訳が収録されています。2016年1月に日本の龍谷大学でおこなわれたシンポジウムの資料集です
【内容】
　近年の日本列島出土韓半島系土器や韓半島出上の日本列島系土器、あるいは土器生産や鉄・鉄器生産に関連する遺構・遺物や集落を検討します。時期はもつとも問題となる4〜 5世紀としました。
　土器については、これまで注目されてきた日本列島の陶質系土器や韓半島の土師器系土器だけでなく、日本列島の軟質系土器や韓半島の須恵器系土器、さらに暦年代の手がかりとなる韓半島出土中国陶磁器まで、共伴関係を中心に総合的に取り扱います。それも遺物や窯だけでなく生産した工人集落の様相までを対象とします。最近の資料まで含めて、それぞれの故地についても研究できればと考えます。
　鉄生産と鉄器生産も、生産にかかわる集落の中での炉跡や炉壁、送風管、鋳型、原料や素材、鉄滓など遺物・遺構の様相の検討が焦点となり、やはり工人集落の摘出と構造を検討します。
　とくに本研究では、まずは同一資料を取り上げ、観察・議論して、その特徴に対する認識の幅の共有を大きな目的とします。そこから派生する解釈は様々ですので、それぞれの担当者が別の場で公表していただきます。本共同研究では、今回に限らず他のテーマでも、あくまでも一次資料の徹底的な検討とその成果の共有を目的とします。(日本側研究代表武末純一氏開催趣旨より抜粋)
【目　次】
趙晟元　　　4〜5世紀代慶南地域出土軟質土器と土師器系土器
重藤輝行　 4〜5世紀の九州地域の土器と渡来人集落
李暎�遏　＋道街称�域と目本の4〜5世紀日常土器・土師器・須恵器　土師器と軟質日常土器情報交換段階-
寺井誠　　 4〜5世紀の近畿地域を中心とした土器と渡来人集落
朴升圭　　 加耶と倭の4〜6世紀陶質土器と須恵器
田中清美　 須恵器窯と生産集落
金才�戞　� 嶺南地方　4〜6世紀土器生産工房の變遷
土田純子　 交叉編年資料としての中國陶磁器
村上恭通　 日韓の鉄生産(製鉄)
金武重　　　韓半島　中南部地域4〜5世紀　鐵器生産　聚落
亀田修一 　4〜5世紀日本列島の鉄器生産集落・韓半島との関わりを中心に