<開催趣旨>(本書より引用)
本研究会では、九州島における「古式土師器」の成立を地域単位で検討し、各地域における在来系土器群の特色と外来系土器の受容と展開を整理します。また、九州島内における「古式土師器」の地域間の影響関係についても検討します。取り扱う資料は、各地域における弥生時代終末期から古墳時代前期末の一括性の高い資料を主要な検討対象としますが、直後の古墳時代中期初頭の資料についても言及するようにします。
　まず、九州島内での弥生時代から継続して存続する、各地域の在地系土器群の消長を整理していただきます。そして、伝統的�考夕扱蓮�庄内式系・布留式系・山陰系( 東九州などでは西部瀬戸内系も) といった九州島外からの外来系土器がどのようにして受容され、そして変容し、展開したのか、この点を中心に各地域の土器群を概観していただきます。また、いわゆる「畿内系」を主体とする典型的な「古式土師器」の各地域における成立と、各地域の「古墳」の成立時期が同時的なのか、時間的ズレがあるのかについても現状の見通しを整理する予定です。
<目次>
基調講演
　畿内・中四国からみた九州の古式土師器　　次山　淳
地域報告・基本資料
　福岡県(糸島・早良・福岡平野)　　久住猛雄
　筑前北部の古式土師器　　田上浩司
　二日市地峡帯以南~ 筑後川以北地域における弥生終末期~ 古墳前期における土器様相
　　田子森千子
　福岡県(筑後川以南-南筑後地域)　　檀　佳克
　筑豊の古式土師器　　松浦宇哲・福本　寛
　北九州市域の古式土師器について　　中村利至久
　豊前北西部(福岡県)　　秦　憲二
　大分平野における古式土師器について　　小野綾夏
　筑後川上流域(豊後西部・日田玖珠地域)の古式土師器の状況　　渡邉隆行
　宮崎県の様相-宮崎平野南部を中心に-　　河野裕次
　薩摩・大隅の古式土師器と在地土器　　松��大嗣
　人吉盆地・球磨川流域における古式土師器　　福田匡朗
　熊本平野における古式土師器の様相　　入江由真
　九州島内における古式土師器-肥前西部-　　馬場晶平
　壱岐島の古式土師器　　宮木貴史・松元一浩
　佐賀・唐津平野　　蒲原宏行
　肥前基肄・養父地域における弥生時代終末期~ 古墳時代前期の土師器　　大庭敏男