※2019年6月22日・23日開催
【開催要旨】※本書より
近年、久万高原町における縄文研究の成果は目を見張るものがある。その理由は、調査と資料の再検討によって、四国地方の中でも研究の蓄積が進んでいる地域であることに他ならない。そこで本会においては、愛媛県の縄文研究に関する学史を基本とし、四国山地西端をフィールドとした縄文文化の研究報告を中心に、その社会の様相や特性について理解を深めることを目指す。特に「縄文時代研究」において久万高原町の遺跡が果たしてきた役割を踏まえつつ、学術の進展を踏まえた評価を加えて、更なる研究の深化を図る。本会は、元号が変わって初めての中四国縄文研究会となった。今後の縄文研究及び中四国縄文研究会の運営に展望を与えるような試みとなることを願う。今回の研究会のテーゼ(命題)は、究極的な意味において、“「縄文時代」とは何か"という問いかけを行うことである。
【目次】
犬飼徹夫 「愛媛の縄文遺跡とその研究史・学史」
春成秀爾「上黒岩の石偶と岩陰」
中園　聡・太郎良真妃・平川ひろみ 「上黒岩遺跡出土石偶・線刻礫の三次元計測と詳細観察」
小林謙一「上黒岩岩陰遺跡の居住形態-縄紋時代のはじまりにおける定住化の諸様相-」
及川　穣「有茎尖頭器・石鏃文化からみた上黒岩岩陰遺跡」
覚張隆史「山神遺跡出土馬骨の再検討(要旨)」
齋藤美朗「徳島県深瀬遺跡出土の縄文時代早期後半から前期初頭の土器について」
柴田昌児「山稜に展開する縄文・弥生時代遺跡の調査-猿楽遺跡を中心に-」
綿貫俊一 「中国・四国地方の有茎尖頭器と縄文時代草創期の遺跡」
杉山歩夢「(資料報告)愛媛県久万高原町上黒岩岩陰遺跡採集の敲石」