【書評等】

【内　容】
中央大学は、以前より考古学研究会を中心に研究者を輩出してきたが、大学としての考古学教育の歴史は新しく、今世紀に入ってからである。そのなかで中央大学文学部日本史学専攻に小林謙一が考古学研究室を開いて10年以上が経過し、考古学関係の卒業生が広く活躍してきた。2020年に小林が還暦を迎える機会に、中央大学考古学研究室の中央考古学会を発足させ、考古学論集を刊行することとした。その第1集が、ここ10年間の卒業生・院生、非常勤講師の先生方に協力を得て、刊行した本論文集である。第1部は論文集として、縄紋草創期から晩期までの土器論、遺構論、樹木利用、年代、学史など、さらに弥生時代、古代、中世、近世、近代の考古学研究、文化財学、博物館学の論考16本を収めた。それとともに、第2部として2008年度以降の考古学研究室の活動記録を掲載した。広く、諸賢のご高覧をお勧めしたい。(編者紹介文より)
【目　次】
巻頭言(小林謙一)
【1部】
小林謙一 　縄紋草創期遺跡の遺物量
永田悠記 　縄文時代草創期の竪穴住居址の様相―大鹿窪遺跡の竪穴住居址の位置付けについて―
遠部　慎　　円筒形条痕文土器の実年代
西本志保子　縄紋中期後葉連弧文土器の文様割付― 武蔵野台地北西部を中心に―
矢嶋良多　　関東地方西南部における縄紋時代中期後葉曽利式前半期の編年研究
小澤政彦 　千葉県における縄文時代中期末後期初頭の住居形態―柄鏡形住居跡を中心に―
中澤寛将 　縄文時代後期末葉から晩期の樹木利用―青森県西目屋村川原平(1)遺跡を中心に―
大村　裕　　芹沢長介と山内清男―縄紋土器研究をめぐって―
比田井克仁　　弥生時代後期における武蔵野台地の特性―台地中央部の久ヶ原式稀薄性の意味―
江口　桂　　古代掘立柱建物の復元への取組-国史跡武蔵国府跡(国司館地区)の保存・整備・活用事業から-
森田義史　　宮城県域における中近世石造供養塔の変遷について―霊場松島の事例を中心に―
池上　悟　　鳥羽掃苔録
小川　望　　肥前と肥後の「烏犀圓」―その年代と相互の関係について―
須田英一　　古社寺保存法・国宝保存法における国宝としての考古資料の指定に関する基礎的研究
納美保子、合田恵美子　　中央大学「博物館展示論」における取り組みの成果と課題
山本典幸　既成の学問領野を越境した博物館学におけるメディアの捉え方
【2部】
中央大学考古学研究室の歩み(矢嶋良多、西本志保子)
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