千葉県銚子市粟島台石器時代遺跡調査報告
【商品説明】
　1952年に刊行された図書を初版発行元の國學院大学より許可を得て影印復刻したものです。
※商品写真2、3番目はパンフレット資料
【遺跡紹介】※パンフレット「粟島台遺跡石碑建立にあたって」より
　粟島台遺跡は、銚子市南小川町、西小川町、粟島町にある縄文時代前期(約6,000 年前)から後期初頭(約4,000 年前)にわたる遺跡として知られています。
　本遺跡は、1934(昭和9)年に吉田文俊氏により発掘されて以来、1940( 昭和15)年東京大学人類学教室、1949〜50(昭和24〜25) 年の國學院大学大場磐雄博士による総合的な学術調査が行われました。さらに、1973・1975(昭和48・50)年の発掘では、低湿地地点から漆塗りの縄文土器、漆塗りの椰子実製の容器、木製の櫂、動・植物の遺存体等が多数出土しました。そして特筆すべき点は、銚子産の琥珀原石を加工した玉の未成品や剥片、砕片などが出土し、縄文時代中期の琥珀玉の生産遺跡として注目されています。
　しかし、近年横田清隆氏の表面採集等により、台地上から後期旧石器時代(約25,000 年前)の彫刻刀形石器、縄文時代前期地点で玦状耳飾り、赤く彩色・穿孔された土製玦状耳飾り、管玉等が採集されました。また、前期地点では、琥珀の剥片や砕片も発見されており、縄文時代前期の琥珀玉生産の可能性も出てきました。
　中期地点でも、氏は硬玉(ヒスイ)製の玉も採集されており、硬玉(ヒスイ)産地である新潟県の糸魚川から交易によって粟島台まで、もたらされたと思われます。
　さらに、台地上、低湿地上、の前期・中期地点において、銚子産の石炭製玉の未成品、剥片、破片等が多数発見され、琥珀と共に石炭玉の加工遺跡の可能性も出てきました。
　以上の事から粟島台遺跡は、後期旧石器時代(約25,000 年前)から、縄文時代早期(約9,000 年前)〜後期前半(約3,700 年前)そして、弥生・古墳・奈良・平安時代にかけての遺跡という事がわかってきました。
　粟島台遺跡は、台地上約48,000 �屐�低湿地で約65,000 �屬箸�なり広大な遺跡で、その90%以上が未発掘地点です。
(中略)
　粟島台遺跡が最初に学界から注目された発掘調査は、1949〜50(昭和24〜25)年の國學院大学大場磐雄博士によるものです。銚子市役所、銚子市民、男女高校生等が協力し、考古学的な発掘調査だけでなく、地理班、地質班、電流探査班が加わる当時としては、総合的な調査でした。その成果は國學院大学考古學會発行の『上代文化』第22 輯に「千葉縣銚子市粟島薹特輯」として1952 年(昭和27 年)に、発表されました。また、同一内容で、千葉縣銚子市公正市民館より「千葉縣銚子市粟島薹石器時代遺跡調査報告」として発行されています。
　この報告書は粟島台遺跡を知る上で、きわめて重要な資料です。