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※本書は、播磨の黎明期考古学を牽引し、弥生土器と古瓦の研究を中心に行ってきた今里幾次さんの著作論文集です。『播磨考古学研究』(1980年刊)、『播磨古瓦の研究』(1995年刊)に続く論文集となり、今里さんの研究成果をまとめた最後の論文集となります。

【書評】
・『季刊考古学』第157号(2021年11月)に上原眞人氏による書評が掲載されました

【内容紹介】編集後記より引用
　本書は、『播磨古瓦の研究』(一九九五年)の後を承けて今里幾次さんの播磨の古瓦および歴史時代遺品について、一九九四年から二〇一三年までの間に発表された研究論文を集成したものである。その体裁は前書をほぼ踏襲している。
　今里さんの古瓦の研究は、播磨の奈良時代瓦の様式研究に出発したけれども、やがて古瓦を武器にして播磨の国分寺、寺院から駅家、国衙の追究へと展開して、播磨の地から日本古代史へのアプローチを試みるという壮大な目標に向かって突き進んでいった。その生涯をかけた研究の一応の到達点が本書である。
　今里さんのもう一つの研究テーマであった播磨弥生文化の研究の大部分は、『播磨考古学研究』(一九八〇年)に収録されている。本書には、書名からは外れるが、それから落ちていた「播磨西神吉の打製石庖丁」(一九四〇年)と,その後に発表した「姫路市小山弥生遺跡」(一九九五年)も、今回は拾い上げておいた。「打製石庖丁」は、今里さんの学界デビュー作といってよい論文で、短編ながら播磨の弥生文化の位置づけを試みている。「小山遺跡」は、姫路付近の縄文/弥生移行期を考察し、前・中期弥生土器編年を細分するうえで基準になった重要な遺跡の概要である。同遺跡は、今里さんが播磨で発掘した唯一の弥生遺跡であって,休日をつなぎ時間をかけて小発掘をつづけることができたのは、今里さんの母方の土地であったからだ、と聞いている。遺跡付近は現在では住宅街に変貌して往時の景観をのこしていない。
　本書の編集は、春成秀爾が岸本道昭・山本博利の助言を聞きながらおこない、原稿入力は中園聡研究室、校正は山本博利・山本和子・春成が担当した。
　本書『播磨古瓦の研究 第二』の刊行をもって、今里さんの生涯の研究は三部作として完結する。本書が、郷土播磨を愛し、その考古学的研究に邁進する一方、若輩の私たちを大切に遇した今里幾次さんの学問と精神を現代に伝え、後進の目標となることを心から願う。

【目次】
�機―�説
�供仝殿絮慍箸隆�
�掘々駟�寺・国分尼寺の瓦
�検仝殿綮�院の瓦
�后ゞ畧こけ浸�
�此】霈癲μ鐇鍵篳�ほか
�察々邑顛鐐�
付載