※1995年刊行の『概説　中世の土器・陶磁器』を踏まえて全面的に書き下ろし。旧版刊行後に議論が活発となった流通論の成果を盛り込んであり、第1部の地域論では各地の土器・陶磁器様相の概説だけでなく、地域への搬入品をくわしく言及するように留意。第2部の土器・陶磁器各論でも同様に各地の様相や流通を横断的に理解する鍵として、国産陶器の最新成果を盛り込むことに留意している。第3部では研究の方法や展望、流通論や技術論、理化学分析の手法などの近年の研究の主要な論点を記載。

序論:中世社会と土器・陶磁器(橋本久和)
地域論
北海道(石井淳平)
東北(及川真紀・�盞�登)
関東(秋本太郎・池谷初恵)
中部(市川隆之・佐々木満)
北陸(阿部来)
東海(鈴木正貴)
近畿(中井淳史・佐藤亜聖・新田和央)
山陽(鈴木康之・北島大輔・草原孝典)
山陰(中森祥・西尾克己・廣江耕史・守岡正司)
四国(池澤俊幸・島田豊彰・首藤久士・長井博志)
九州(柴田亮・上床真・横手伸太郎)
琉球列島(瀬戸哲也・新里亮人)
土器陶磁器各論
土師器(中井淳史)
畿内産瓦器椀(佐藤亜聖)
山茶碗(山本智子)
東播系須恵器(佐藤亜聖)
東海諸窯(中野晴久)
備前(重根弘和)
越前(木村孝一郎)
東北諸窯(小山美紀)
信楽(畑中英二)
丹波(長谷川眞)
瓦質土器(新田和央)
中世前期の貿易陶磁器(山本信夫)
中世後期の貿易陶磁器(續伸一郎)
特論
中世土器の成立(橋本久和)
中世土器・陶磁器研究の方法と展望(中井淳史)
土器・陶磁器の流通(藤本史子)
国産陶器の技術展開(中野晴久)
中世土器・陶磁器研究と胎土分析(白石純)