この辞典は、既存の古語辞典には無かった、幅広い文献資料を対象にしています。ハングル創製後から20世紀初頭まで、様々なハングルの筆写文献に現れる単語や文法の要素を統合して見出し語を抽出し、それに対する様々な用例を示すことによって、韓国語古語の総体的な姿を具現しようとしています。
　木版本、活字本はもちろんのこと、筆写本、鉛活字本まで、すべての資料を合わせ、仏教経典、道教書、聖書、経書、論書、調理書、医学書、絵画書、訳述書、歴史書、小説、戯曲、歌詞、詩調、紀行文、諺簡、講談、自叙、遺書、事典、語彙事典、地理書、教化書、古文書、物品目録、新聞、教科書など、そのジャンルも多様です。
　活用された文献は、500余種、4000余冊、諺簡と古文書も2000余点に達しています。特に宮書体や正字体ではなく、フルリム体で書かれた写本文献は、判読、解読が難しく、適切に活用されていませんでした。
　「古語大辞典」は筆写本資料も大量に収容して、既存の古語辞典では貧弱であった近代国語語彙と例文を幅広く収録したため、新たに登録された語彙と借用語もあります。それにより見出項は、この表記をはじめとする固有語、借用語(満州語、モンゴル語、日本語)、漢字語、古制度語、古官職名などを含めて22万以上、用例は見出項の音韻論的・形態論的及び統辞論的・語彙論的な情報を示すことができる様々なジャンルの多様な文献を活用し、69万余に達します。
　朝鮮時代、ハングル文献は漢文本や中国書籍を諺解した場合は、既存の古語辞典は漢文原文​​を排除したり、収録していても一部文献については、疎略に併記のみされているので、正確な語彙の意味を調べるのは難しい点がありました。「古語大辞典」は、その欠点を補完して、漢文原文や中国語原文があるものは併せて載せている点も注目すべき部分です。