トビニタイ文化という歴史事象を、北海道に生起した異系統集団の接触・融合の一類型として人類史のなかに位置づけるとともに、それがアイヌ文化に果たした歴史的意義を緻密な理論によって追究する、斬新な試み。

【目次】
第1章　トビニタイ文化の研究意義(1.問題の所在と本書の射程/2.研究史の回顧と課題の把握/3.新たな研究視座)/
第2章　トビニタイ文化の主体者(1.トビニタイ土器に伴う「擦文式土器」の製作者/2.トビニタイ土器製作集団と擦文文化集団の集団間関係/3.トビニタイ文化の住居址構造と居住者)/
第3章　トビニタイ文化なる現象の追究(1.集落遺跡の立地パターン/2.遺物組成にみるトゥールキット/3.トビニタイ文化なる現象)/
第4章　歴史的事象としてのトビニタイ文化(1.トビニタイ文化の成立の背景/2.列島史への位置づけ/3.アイヌ文化にとっての歴史的意義)