※実際の表紙はピンク色です
<シンポジウム開催趣旨>
これまで、中四国地方の縄文遺跡では遺構の検出例が乏しく、具体的な集落論が展開しにくい状況だった。ところが近年、集落の全体像を把握できる良好な遺跡の発見が相次ぎ、中四国地方でも遺構論からの集落研究が可能になりつつある。
しかし、こうした集落関係資料の急増に対し、網羅的な資料の集成はまだなく、地域全体において集落の実相が明らかにされているとは言えない。また、集落遺跡や居住遺構に対する研究が進む一方で、それ以外の遺構や遺跡との関連が把握されず、中四国地方の縄文集落とは、どのような遺構で構成されていたのかという基礎的な問いへの答えはまだ見えていない。
　そこで今大会では、縄文時代の諸遺構を集成して現状の整理を行ない、遺構から見た中国・四国地方の縄文集落像の復元を試みたいと思う。
<目次>
基調講演「集落景観から何を読み取るか」　谷口康浩1
「遺構から見た広島地域の縄文集落」　竹広文明山手貴生矢部俊一5
「遺構から見た岡山県の縄文集落」　山口雄治55
「鳥取県における縄文集落の様相」　久保穣二朗87
「島根県における縄文集落の基礎的研究」　稲田陽介131
「山口県における縄文集落の動向」　小南裕一211
「香川県における縄文集落の実相」　丹羽佑一237
「愛媛県における各種遺構から見た縄文時代集落像」　兵頭勳247
「遺構から見た徳島県の縄文集落」　高島芳弘275
「高知県域の縄文遺構集成-集落復元に向けて」　松本安紀彦315

集成目次
広島県の集落遺跡および関連遺跡集成16
岡山県の集落遺跡および関連遺跡集成63
鳥取県の集落遺跡および関連遺跡集成97
島根県の集落遺跡および関連遺跡集成148
山口県の集落遺跡および関連遺跡集成215
香川県の集落遺跡および関連遺跡集成239
愛媛県の集落遺跡および関連遺跡集成254
徳島県の集落遺跡および関連遺跡集成279
高知県の集落遺跡および関連遺跡集成317