<内容>
　今回の企画展は、その時代の前期から後期前半までを扱っています。その理由は、弥生後期後半から終末期は古墳時代の準備過程の様相を示しており、有力な首長墓が出現している時代であるからです。
古墳時代の前史である弥生時代後期後半から終末期は、来年度に扱う予定です。
　弥生時代はそれなりに激動の時代でした。水田稲作の社会にとっては、不便な高地に集落を営んでいることがそのことを物語っています。農耕の開始が文明化を促進し、蓄積された富の争奪をめぐり、争いを起します。戦争の始まりです。日本列島では戦争は弥生時代に始まりました。戦争は集団と集団の戦いです。文明は農耕のはじまりから起こり、ヨロッパやアジアと比べて、日本列島の古代化は短期間に国家を成立させています。
展示を通して、明石の弥生人が家族と共にこの時代を生き抜いてきた息吹を感じとっていただければと思っています。(扉“ごあいさつ”より)
<執筆>
春成秀爾、山本二郎、稲原昭嘉、丸山潔
<目次>
I明石の弥生社会の発展
　1縄文から弥生ヘ
　2弥生集落成立
　3弥生集落の展開
�� 稲作の始まりと展開
　I中心集落
　1新方遺跡
　2玉津田中遺跡
　�� 周辺集落
　�� 明石市の弥生遺跡
�� 高地性集落の出現と終焉
　1明石川流域の高地性集落
　2明石海峡を臨む高地性集落
�� 明石川流域の弥生時代の開始と展開
V弥生時代の祭りと儀礼