レビュー一覧

史跡小田原城跡　馬出門

国史跡小田原城跡の馬出門の復元と、これに伴う発掘調査をまとめたもの。レア本である。

三重県史　資料編　考古2

古代以降をまとめる。県内の地域ごとに各時代の遺跡を紹介する県史が多い中で、本書では遺跡・遺物の種別ごとに列挙しているのが珍しい。

西新町遺跡9

我が国の竪穴建物に作り付けのカマドが普及するようになる5世紀より、およそ1世紀前に朝鮮半島から伝来したカマドが顕著にみられる博多湾に面する砂丘上に展開する遺跡の総括的報告書。カマドや、朝鮮半島系遺物をはじめ、各種項目に関する分析が掲載されており、非常に重要な報告書である。

下野谷遺跡6　縄文時代中期(5)

縄文時代中期の環状集落が東西に並ぶ。遺存状態の良い西集落は国の史跡となっているが、開発が著しい東集落では、早稲田大学体育会施設にともなう調査が目立つ。2003年以来となる報告で、Ａ４版での出版は初である。

淡海文化財論叢　第16輯

滋賀県内の文化財担当者を中心にまとめられた論集で、興味深い内容のものも目立つが、中には先行研究を無視した（単に勉強不足？）作品があるのが問題か。

三雲・井原遺跡8　総集編

国史跡申請用報告書。江戸時代後期の記録にも登場する三雲南小路王墓をはじめ、多数実施されてきた発掘調査データをまとめたもので、改めて「伊都国」の拠点遺跡の内容の濃さがうかがえる。

大芝遺跡 : 箱根神社文化財収蔵庫建設に伴う発掘調査

箱根神社社殿脇から懸仏や鏡板などが出土。調査区の西側で1966年に発見された礎石建物群についても触れられている。

竹生島 : 琵琶湖に浮かぶ神の島

国名勝および史跡竹生島を紹介した一冊。宝厳寺唐門と都久夫島神社本殿の国宝建築をはじめとする文化財の宝庫竹生島の良さをオールカラーで見ることができるが、何故か重要文化財の石造五重塔が紹介されていないのが残念！

大宰府条坊跡36

特別史跡大宰府跡に追加指定された「客館跡」の南北に並ぶ２棟の長舎のうち北側の掘立柱建物跡（南北16間、29.6メートル）などの報告。「客館跡」の全体像については、『大宰府条坊跡44』に詳しい。

古代の碑　石に刻まれたメッセージ

25年以上前の刊行ながら、国内の古代の碑を概観できる、さすが歴博という好図録。多賀城碑の国宝格上、浄水寺碑群の重要文化財指定など注目度も高い。