レビュー一覧

  • 現代民俗学入門

    Aposus さん

    民俗学研究の多様化に対応し、村落研究を基本とした従来の研究分野を再検討することが本書企画の出発点となっています。そして、現在の民俗学の課題に見通しを与えるため、また「発言する民俗学」として社会的役割を担うことを主眼とするため、研究が資料的・分析的にも不十分な分野も積極的に取り上げたとします。執筆者・編者も当時の30代から40代の若手研究者が中心となっています。
  • 日本民俗学概論

    Aposus さん

    ポスト柳田時代の日本民俗学の問題意識。全書は「時間の民俗」「空間の民俗」「心意の民俗」「特論」によって構成されて、柳田の民俗学を批判的に継承し、また菅豊たちに批判された福田アジオたちの「20世紀の日本民俗学」の全体像が示されています。そのために、今の日本民俗学が危機に直面している時代にこの本を読んでも価値があります。
  • 民俗調査ハンドブック 新版

    Aposus さん

    民俗学研究の定番書ですが、時代遅れであり、「新版」と呼ばれても、大体30年前出版したやつです。村落調査を中心に、事例として書かれているフィールドワークの状況自体がすでに遠い過去のものとなってしまっています。しかし、民俗調査の項目が広い範囲で記載されているので、80年代の日本民俗学の関心を把握することができる。
  • 鎌倉北条氏人名辞典

    てけてけ さん

    『北条氏系譜人名辞典』から20年、あらたに100件近い項目が加えられただけなく、これまでの項目にも最新研究をもとにして加筆・修正などが加えられています。各項目ごとの記述も解説・系図・史料などに分かれてわかりやすく明示されていて、鎌倉時代研究には欠かせない一冊といえると思います。鎌倉北条氏の7本の系図や関連する論文目録も掲載されているので、とても便利です。
  • 中国妝束 大唐女児行

    てけてけ さん

    発掘された遺物をもとに史料などとも比較・考察し、唐代の女性の衣装や装飾品などが、華やかで親しみを感じさせる画風ながらも、緻密に描かれています。中国語が読めない方でも、唐代の女性装束に興味のある方には、とても楽しめる一冊ではないかと思います。
  • 南北朝武将列伝 北朝編

    てけてけ さん

    有名武将だけでなく一般的にはあまり知られていないであろう武将も取り上げられている上、専門に研究してきた第一線の研究者によって書かれています。当時特有の流動的な時代背景の中の武将たちの去就を、人物ごとに整理して書かれているので、とてもわかりやすく、「南朝編」に続き、こちらも南北朝時代を研究するためには必要な一冊となるのではないかと思います。
  • 近江の陣屋を訪ねて

    てけてけ さん

    江戸時代、居城を持てない小藩の藩主の居所または藩庁だった陣屋について、構造面は古絵図や藩庁間取り図などを使って、また、陣屋を中心に陣屋町が形成されていたことなど歴史面もわかりやすく解説してありました。陣屋について滋賀県全県的に紹介してある書籍は見かけたことがなく、この本を片手に滋賀県(近江国)の陣屋や陣屋町の面影を探し歩いてみたくなりました。移築・現存してる陣屋もあるそうです。
  • [共同研究]村と戦場 近現代の兵士の実像1

    Aposus さん

    「近現代の兵士の実像? 慰霊と墓」と異なって、タイトルの「村と戦場」が示すように、本冊にまとめられているのは、銃後社会とされる「ムラ」と昭和期の戦争との関係を論述する歴史学的研究と資料です。特に、軍事郵便、従軍記、陣中日記などのように、戦争の最前線を実際に経験している人たちが書いた文字を史料として、個人体験を歴史に置き、昭和期の戦争を問い直す論文が多いです。
  • [共同研究] 近現代の兵士の実像2 慰霊と墓

    Aposus さん

    慰霊の実相と陸海軍墓地との側面に、近現代の戦死者がどのように扱われていたのかという問題を捉える論文・資料集です。特に慰霊編においては、幾つか興味深いポイントが提示されます。「慰霊のモニュメントと「銃後」社会」(本康宏史)と「旧藩における護国神社の創建」(今井昭彦)は、それぞれ軍都の石川県と群馬県を例として、県レーベルの戦死者慰霊運動を紹介します。「兵士の「遺体」と兵士の「遺霊」 」(波平恵美子)において、慰霊問題が戦死者遺体の扱い方から人類学(日本人の死生観など)の視点で検討されます。「紙の忠魂碑」(一ノ瀬俊也)において、作者が従軍者記念誌を着手し各市町村の慰霊の実相を検討します。
  • 日本仏教史 思想史としてのアプローチ

    Aposus さん

    日本仏教史入門の名著といえます。本覚思想に主眼を置いて、もつれている複雑な日本の仏教受容と変遷の歴史をわかりやすく説明しました。すなわち、日本仏教史における人物・事件を、単に年代順で排列するわけではなく、現実肯定の傾向を示す本覚思想の天台による発端から鎌倉仏教へのアプローチを思想史的に辿って試みました。さらに、葬式仏教や神仏習合、仏教に関わる民俗も触れつつ、日本仏教への研究の延長線を示します。