レビュー一覧

  • 東京都杉並区 光明院南遺跡F地点

    東京都杉並区 光明院南遺跡F地点

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    JR中央線の荻窪駅から下り(立川方面)線路沿いの右側にある光明院の納骨堂が調査地点。縄文時代中期末の柄鏡形竪穴建物跡から破砕された大形石棒が出土。建物廃絶時の儀礼行為を示すものとして注目される。他遺跡の事例も紹介されており良くできた報告書である。
  • 桜井市 国史跡珠城山古墳 第4・5次調査及び史跡整備報告書

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    6世紀代の3基の前方後円墳が、同一丘陵上の墓域に築造され続けるという珍しい事例。残念ながら3号墳は土砂取り工事のため破壊されてしまったが、1・2号墳は国史跡となり、整備された。開発と保存のはざまを示す例として忘れてはならない。
  • 史跡谷戸城跡 : 山梨県北杜市 : 環境整備事業に伴う発掘調査報告書

    史跡谷戸城跡 : 山梨県北杜市 : 環境整備事業に伴う発掘調査報告書

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    遠くに八ヶ岳を望む独立丘に築かれた谷戸城跡(国史跡)。カラーを多用した概報I〜VIIは、とてもビジュアルで分かりやすかったが、本報告である本書は、巻頭カラーを除いて、モノクロの世界。ごく「普通」の本で、残念…。
  • 旧石器時代の鈴木遺跡 : 国指定史跡鈴木遺跡解説書

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    武蔵野台地を代表する旧石器時代の大規模遺跡である国史跡鈴木遺跡の概要を紹介した冊子。指定地内にある鈴木遺跡資料館で入手することができる。
  • 古代山陽道 野磨駅家跡 落地遺跡飯坂地区ほか発掘調査報告書

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    古代山陽道跡と共に発見された野磨駅家跡は、7世紀後半から8世紀前半の初期駅家跡である八反坪地区と、8世紀後半から11世紀後半の後期駅家跡である飯坂地区に分かれており、本書は後期駅家跡の本報告。西門跡の礎石は完在しており、門扉を据えるための「唐居敷(からいじき)」という造作が施されるなど貴重な事例。両地区ともに国史跡に指定されている。
  • 大田区指定有形民俗文化財「羽田神社富士塚」保存修理報告書 : よみがえる羽田富士

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    明治元年(1868)に築かれた富士塚の保存修理報告書。大田区では初のオールカラー印刷で、関連資料も紹介されている。大田区立郷土博物館で入手することができる。
  • 八尾南遺跡

    八尾南遺跡

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    厚さ7.5cm、重さ4.5kgの大冊。洪水砂でパックされた状態で検出された弥生時代の竪穴建物跡では、周堤や、竪穴壁材、壁溝の暗渠構造、中央ピット、貯蔵穴、排水溝、出入口の梯子等々、一般的な発掘調査では検出することのできない情報を抽出できる夢のような遺跡である。レア本だが、入荷したらゲットすべし。
  • 太安萬侶墓

    太安萬侶墓

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    奈良市の郊外の茶畑の斜面から発見された太朝臣安萬侶の墓(国史跡)が墓誌と共に発見されてニュースとなった昭和54年(1979)1月は、ちょうど卒業論文を提出して、一息ついた頃で、2年後に本書が刊行された時は、よろこんで購入したものである。国内で発見されている16例の墓誌のうち、発掘調査が行われた初の事例として重要である。当時、本書を購入した年代は、定年退職を向かえている方が多いものと思われ、それもあって古書として出回る機会が増えているのではなかろうか。
  • 長沢遺跡 第10次調査

    長沢遺跡 第10次調査

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    福生市を代表する縄文時代中期の拠点的集落遺跡。この遺跡では初のA4版の報告書で、最も厚い頁数の文献となった。全国的な傾向だが、平成24年(2012)頃から文化庁のお達しにより、発掘調査報告書の印刷部数を300冊とするようにと言う影響(これは、あくまでも国庫補助金対象事業だが)により、市場に報告書が出回らなくなり、どのような本が出ているのか分かりづらくなっている。2012年以降に刊行された本が古書として登場したら、すかさずゲットした方が良い。
  • 新小倉橋関連遺跡 原東遺跡・川尻中村遺跡 図録

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    とてもぶ厚い本報告刊行前に作成された概報的図録。オールカラーで遺構・遺物が楽しめる。敷石住居や、石囲炉、列石、配石など石を多用する。相模川を横断する新小倉橋とバイパス建設にともなう事前調査として実施されたが、環状集落を呈する川尻中村遺跡の西側は、実は川尻石器時代遺跡の飛地として国史跡の指定範囲内であったことが調査後に判明して、工事は中止。神奈川県は文化庁から怒られることとなった。トホホ…。