レビュー一覧

  • 箱崎キャンパス地区 元寇防塁 調査総括報告書

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    九州大学箱崎キャンパス売却にともなう発掘調査で元寇防塁の一部が発見された。防塁(石塁)の陸地側には幅5.9m前後の大溝が掘られていることが判明。一部が箱崎地区南地点と北地点として国史跡に追加指定された。世界史や地質・気象など様々な方面からの分析も加えられており、さすが大学の発行物と言える。
  • 旧東京第二陸軍造兵廠火薬研究所等近代化遺産群調査報告書

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    江戸時代には加賀藩下屋敷、明治4年(1871)以降は政府の軍事近代化の先駆けとして火薬製造所→東京第二陸軍造兵廠であった建物群の国史跡申請用報告書。板橋区役所で入手できる。
  • 玉東町西南戦争遺跡 調査総合報告書

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    明治10年(1877)、政府軍(官軍)と反政府軍(薩軍)で行われた国内最大で最後の内戦の遺跡(国史跡)を発掘調査等により明らかにした画期的文献。銃弾関係遺物の出土が目立つ。また、寺院山門に打ち込まれた銃弾痕もリアルである。本書が刊行された時点では、こんな新しい?時代のものも調査するのかと感心したものだが、最近、太平洋戦争で使われた奄美大島要塞跡が国史跡となり、考古学の対象が、どんどん新しくなることを実感する今日この頃である。
  • 湯浅党城館跡総合調査報告書

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    中世に和歌山県中部で勢威を振るった湯浅一族関連の総合調査報告。藤並城跡と湯浅城跡が国の史跡となった。7箇所に点在する国史跡明恵上人紀州遺跡の石製卒塔婆の実測図・写真が掲載されているのがうれしい。
  • 大平山元 旧石器時代から縄文時代への移行を考える遺跡群

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    国史跡および世界遺産の大平山元(おおだいやまもと)遺跡群(I・II・III・(4)遺跡)の調査成果をまとめたもの。旧石器時代から縄文時代移行期の様子を探るうえで重要な遺跡。
  • 旧東田川郡役所及び郡会議事堂等調査報告書

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    明治期の郡役所(和風建築)と議会棟(洋風建築)が併存する希な事例で、国の史跡の申請用報告。鶴岡市に合併前の藤島町役場の建物としても使用されていた。
  • 瀬戸内町内の遺跡3 奄美大島要塞跡及び大島防備隊基地跡内容確認調査編

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    国史跡に答申された奄美大島要塞跡の申請報告書。大正10年(1921)から陸軍によって建設が開始された西古見砲台跡、安脚場砲台跡(奄美大島)、手安弾薬本庫跡(加計呂麻島)からなる。太平洋戦争の要塞が国の史跡になるのは初である。これらの戦争遺産を埋蔵文化財包蔵地として扱った地元瀬戸内町と鹿児島県に敬意を表したい。
  • 烏山城跡確認調査報告書

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    国史跡申請報告書。中・近世城郭。カラー印刷を多用し、とても分かりやすい作りの報告書。15頁にある「微地形解析図」は郭の様子が良く分かる。他の城郭の事例の写真を紹介されており、丁寧な報告書で好感度が高い。
  • 鹿児島(鶴丸)城跡 : 総括報告書

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    国史跡指定範囲拡大のためにまとめられた総括報告書。絵図類との照合などカラー印刷を多用し、とてもビジュアルな作り。過去に実施された多数の発掘調査成果をまとめた、まさに総括報告書の手本となるような内容である。
  • 佐伯城跡総合調査報告書 資料編 総論編 2冊揃

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    資料編の大部分は、「石垣調査票」で、そのうしろに掲載されている3Dモデルの石垣写真は臨場感あふれる出来ばえ。後半部には「絵図史料」や「古写真」などが集成されている。総論編では、絵図類と現存石垣がほぼ照合することや、毛利氏築城以前の豊臣政権期に先行する施設が存在した可能性が示されている。国史跡申請用の報告書である。