レビュー一覧

  • 敵を阻む城、にぎわう城下 : 戦国時代の本佐倉城と千葉氏の歴史

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    酒々井町と佐倉市にまたがる本佐倉城跡の国史跡指定20周年を記念した講演会の記録集。地域史、交通史、城郭史、文化史など様々な視点からの7篇の発表と考古学方面の論考2篇、関係資料などからなる記録集。とても充実した内容で、とても勉強になります。お城ファン必携の一冊です。
  • 埼玉県指定史跡「滝の城跡」整備発掘調査報告書 : 第1〜8次発掘調査

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    北条氏照の支城だったが、1590年(天正18年)に豊臣秀吉の小田原征伐の際に急襲され、八王子城と共に落城した。かつて「血の出る松」と呼ばれ、木肌を傷つけると赤色の樹液が出ると伝えられる大きな黒松があったが、伐採されてしまった。遺存状態のよい中世城郭の報告書である。
  • 調布市下布田遺跡 古代編

    調布市下布田遺跡 古代編

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    縄文時代晩期の国史跡下布田遺跡の北側、土地区画整理事業対象地の報告。下布田古墳群の9基の円墳などが調査された。中でも狐塚古墳(下布田6号墳)は、墳丘径約44mで、横穴式石室から大刀などが出土している。石室は河原石積だが奥壁のみ切石が使用されている。本墳は、公園として保存され、東京都の史跡に指定された。考察で周溝内土坑・L字状墓の分析が加えられている。多摩川流域の古墳群を考えるうえで持っていて損しない文献です。
  • 国指定史跡真福寺貝塚総括報告書第1集 第1期確認調査報告書

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    みみずく土偶(重要文化財)で有名な真福寺貝塚(国史跡)の第1期確認調査の総括報告書。さいたま市と合併前の岩槻市当時に奈文研の協力で行われたレーダー探査の結果も再録されていて、本書の価値を高めている。現在、貝塚中心部は立入禁止となっているが、昨今話題となっている環状盛土を観察することができる。史跡整備が望まれる。
  • 考古学からみた筑前・筑後のキリシタン : 掘り出された祈り

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    キリシタン考古学を紹介した好図録。掲載されている大分県臼杵市の下藤キリシタン墓地(国史跡)の復元図は、現地でスマホをかざすと見ることができるそうで、新しい試みとして注目される。遺構・遺物から我が国のキリシタン考古学を勉強するのに大変役に立ちます。お勧めです。
  • 野毛大塚古墳展 : 国重要文化財指定記念

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    5世紀初頭の帆立貝形前方後円墳(全長83.5m)で、東京都史跡に指定されている。4箇所の主体部から出土した副葬品(武具・武器・玉類・鉄製農工具・石製模造品など)などが重要文化財に指定された。これらを紹介すると共に、区内に存在する首長墓八幡塚古墳や御岳山古墳などについてもふれている。大変良くできた図録で、世田谷区立郷土資料館で扱っている。
  • 環8光明寺地区遺跡調査報告書

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    厚みがあり、かさばるため敬遠されがちだが、内容的には中世墓地のまとまった調査と、出土板碑の集成分析の2分冊。この分野に興味のある方は持ってても損しないと思いますが。
  • 山王塚古墳 総括報告書

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    上円部径37m、下方部一辺69mで全国で最大規模の上円下方墳の国史跡申請用報告書。調査トレンチの位置を分かりやすくするための小形の平面模式図の掲載や、カラー写真図版を多用するなどの工夫がみられる。上円下方墳の国史跡指定は5例目。川越市立博物館では図録『山王塚古墳』を刊行しており、こちらは入手可能。
  • 西別府祭祀遺跡、西別府廃寺、西別府遺跡 総括報告書1

    西別府祭祀遺跡、西別府廃寺、西別府遺跡 総括報告書1

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    深谷市幡羅郡家関連遺跡は正倉院・官衙・官道などが国史跡に指定されたが、郡寺・祭祀遺跡が東隣の熊谷市に存在するため、これらを国史跡に申請するための総括報告書。郡寺と推定される西別府廃寺では、掘り込み地業のある礎石建物の存在が確認されているが、建物配置などが不明確なため、史跡には指定されず、石製模造品などが出土している西別府祭祀遺跡のみが国史跡となった。
  • 楢葉天神原弥生遺蹟の研究1・2 福島県双葉郡楢葉町天神原遺蹟調査報告

    楢葉天神原弥生遺蹟の研究1・2 福島県双葉郡楢葉町天神原遺蹟調査報告

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    福島県浜通り弥生土器棺墓の研究、土器棺の図・写真・本文とも内容が期待通りで良い本でした。